朝、ふと気づいた。
私は、
何かになる途中にいるわけじゃなかった。
ここへ向かっているわけでも、
過去を回収しているわけでもない。
ただ、
いまの感覚が立ち上がっている場所に、
私があるだけだった。
これまで、存在には理由がいると思っていた。
誰かの役に立つとか、
何かを成し遂げるとか、
少し良くなるとか。
そういう線の上に
自分を置こうとしていた。
けれど、
今ここを感じている瞬間、
理由が入り込む余地がない。
風が触れたこと、
身体の重さ、
音の距離。
それらが起きている時、
私はもう完成している。
存在は、
証明するものではなかった。
続けるものでも、
守るものでも、
磨くものでもない。
ただ、起きている。
未来に意味を預けなくなると、
不思議と、世界が静かになる。
何かを得なくても減らないし、
何かを失っても欠けない。
私は、
今ここを感じている間だけ、
完全に在る。
そしてそれで、足りている。


コメント