出会い直す風景
福山に戻って4日目。
伊勢志摩の透明な空気から、
住み慣れた部屋、家族、地元の景色へ。
場所は変わったのに、
変わったのはむしろ、
この身体の受け取り方の方だった。
同じ道、同じ光、同じ音。
でもどこか、まだ名前のついていない感触が混ざる。
「ああ、ここを知っている」ではなく
「ここに、初めて触れている」
そんな感覚で、風景を見ている。
戻ってきたのではなく、
出会い直しているのだと思う。
旅の特別さが消え、
暮らしの当たり前がほどけ、
その境界が静かに溶けていく。
右脳から生活が始まると、
場所は固定されず、体験になる。
だから今、福山は“日常”ではなく、
ひとつの滞在地になった。
この場所を味わい尽くしたら、
また次の水辺へ向かう。
一か月後、琵琶湖へ。
暮らすように旅する続きへ。
変わるのは場所ではなく、
触れていく自分の質。
私は、どこにいても同じ役目をしている。
ただ静かに在る灯りとして。
その灯りのまま、
今日の景色と出会っている。


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