オーディオブックに違和感 〜音じゃない。静けさの中で本は語りかけてくる〜

エッセイ 〜波のまにまに〜

最近、電車の中やカフェなどで、耳にイアホンをつけて、
静かにオーディオブックを聴いている人をよく見かけるようになりました。

本を「読む」のではなく「聴く」。

そんな新しい読書スタイルが、当たり前になってきているようです。

でも、不思議なことに、
私はどうしてもそれが合わないのです。

何度か試してみたことはあるのですが、
心地よく入り込める感覚にはなれず、途中でやめてしまいました。

声の影響で本の印象が変わってしまう

その理由はいくつかあります。

まず一番大きいのは、「声」の影響です。

朗読している方の声や話し方によって、その本の印象が大きく左右されてしまう。

あくまで私は、その本の“筆者の声”を、文字を通して受け取りたいのです。

どんなリズムで、どんな余韻で、その言葉を置いたのか。
それを自分の感覚で感じたいと思ってしまう。

行間の余韻が失われる違和感

そしてもうひとつ。

行間を味わう時間がなくなってしまうことも、私には大きな違和感でした。

オーディオブックでは、音声が次々に流れていくので、
立ち止まって考えたり、文章に余韻を感じたりする余白が少ないように思うのです。

読むことで生まれる「想像力」や「対話」が、どこか取り残されてしまうような。

“無音”こそが、私の読書の贅沢

さらに言えば、
耳からずっと音が流れてくるという状態が、どうにも落ち着かない。

頭や心がざわついてしまうのです。

静かなページを、好きな場所で、好きなタイミングでめくっていく。

その“無音の時間”が、私には何よりの贅沢なのかもしれません。

やっぱり私は“読む”のが好き

だから私は、
やっぱり本は“読む”のが好き。

紙の本でも、電子書籍でも、
自分のペースで文字を追っていく。

その中で、筆者と一対一の対話をしていくような感覚が、たまらなく愛おしいのです。

読書スタイルは人それぞれ

もちろん、オーディオブックが好きな人もたくさんいて、
その良さもきっとあるのだと思います。

でも、私にとっての読書は、
静けさの中で「ことば」にじっくりと向き合う時間。

そんなふうに、自分に合ったスタイルで、
大好きな本と関わっていけたらいいなと思っています。

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