最近、情報やノウハウ、スキルを持っているだけでは、価値として成立しづらくなっている感覚が強くなってきました。
以前であれば、知識や情報、スキルを持っていること自体に意味がありました。
何かを「知っている」「できる」というだけで、役に立てたり、必要とされたりしていたのです。
けれど今は、その前提が崩れつつあります。
知識やスキルは「あること」が当たり前になり、それだけでは選ばれない時代になりました。
そこで求められるのが、その人自身の経験・体験・感性といった、唯一無二の「人間性」です。
知識やスキルは“お金”に換わらなくなっている
今は、検索をすればほとんどの情報が手に入る時代です。さらにAIによって、その情報はわかりやすく整理され、誰もが同じようにアクセスできるようになりました。
つまり、「知っている」ということそのものに、もはや希少性がなくなったということです。
専門的なスキルでさえ、AIやノーコードツールの進化によって、誰でも一定のレベルでこなせるようになっています。
デザインも、文章も、動画編集も、ツールとテンプレートが整っていれば、ある程度のものは誰でも作れるようになりました。
スキルやノウハウは、もはやコモディティ(誰でも手にできる一般的なもの)となりつつあり、それ自体をただ「持っている」「提供できる」だけでは、選ばれる理由にはなりにくくなっています。
もちろん、知識やスキルが無価値になったわけではありません。
ただ、それが「他の誰かでも代替できてしまう」ものになった今、それだけではお金になりにくいのです。
言い換えると、代替可能なものは、価格が下がる運命にあるということ。
あなたである必要がないのであれば、それは“安く、早く、効率よく”できる人やツールに置き換えられてしまうのです。
だからこそ、これからは
- 「あなたから受け取りたい」
- 「あなたの言葉だから響いた」
- 「あなたの体験から生まれたものだから価値を感じる」
──そう思ってもらえる“理由”が求められるようになっています。
「何を言うか」ではなく、「誰が言っているか」
私自身、これを痛感した経験があります。
失敗と成功を何度も繰り返しながら、シングルで子育てをし、息子が海外留学した後に、小さなファンド会社のCEOをしていた頃、たくさんの投資家に出会いました。
大手の金融機関やブランド力のある会社はいくらでもあるのに、なぜ私の会社に大切なお金を託してくれるのか?
それは、肩書きや規模ではなく、私自身の想いと背景に共感してくれたからでした。
今、本当の意味で価値を持つのは、「その情報を誰が発しているのか」ということです。
同じような言葉、似たようなノウハウ、同じようなアドバイスだったとしても、それを「誰が」「どんな想いで」「どんな経験を経て」語っているのかによって、伝わり方や信頼感はまったく異なります。
なぜなら、人は情報だけでは心を動かされないからです。
そこに“人の気配”や“背景にある物語”があるとき、初めて言葉に命が宿り、共感や信頼が生まれます。
価値を持つのは「経験」「体験」「感性」
これから、お金に換えられるものは何か?
それは、その人にしか語れない「視点、経験、体験、表現力」です。
たとえば…
- どんな環境で育ち、何を感じてきたのか
- どんな失敗をし、そこから何に気づき、学んだのか
- どんな場面で心を動かされ、価値観が形成されたのか
- 何を大切にして、どんな選択をしてきたのか
こういった個人の一次情報こそが、これからの価値を生み出します。
他者に提供できるのは、スキルではなく、「あなただけの経験から生まれる言葉」。
それを“見えない価値”として巡らせることができるのが、Web5という世界です。
経験や感性を、どのようにお金へと転換するか
どれだけ豊かな経験をしていても、それを「持っているだけ」では伝わらないし、お金にも換えられません。
価値として届けていくためには、それを言語化し、発信する力が必要になります。
- 自分の体験や気づきを、言葉にして整理する
- 感性を、文章・写真・音声などで表現してみる
- 誰かに届けたいという意志を持ち、それにマッチする自分の言葉を探して発信する
現在は、SNSやYouTubeなど、自分の世界観を表現できる場所は数多く存在します。
でも、Web5という世界では、誰もがその人にしかない価値をマネタイズすることができるのです。
完璧である必要はありません。
大切なのは、「自分にとってのリアル」をWeb上に発信していくこと。それが、誰かの心に届くきっかけになります。
「知識」から「人格」へと価値が移る時代
今、世の中は明らかに「知識経済」から「人格経済」へと移行しつつあります。
かつては、“どれだけ多くのことを知っているか”や、“どれだけ専門的なスキルを持っているか”が、そのまま価値として評価されていました。
けれど今は違います。
スキルやノウハウは、テクノロジーの進化によって、ますます自動化・機械化されていきます。
誰かが何年もかけて身につけたスキルを、AIやツールが数分で再現することも可能です。
そして時代はWeb5へと、すでに進んでいっています。
人間にしか持てない「経験」「体験」「想い」「感情」「感性」に改めて注目が集まっています。
それは、「代替できないもの」「再現できないもの」だからです。
これからの時代に本当に求められるのは、「どれだけ知っているか」「どれだけうまくできるか」ではなく、「どれだけ自分の人生を、自分の言葉で語れるか」です。
Web5がもたらすもの──「存在給」と「個人経済圏」
Web5は、私が理想としてきた世界観──「お金=生き方=愛」が実現する世界です。
- 誰かの役に立とうと“がんばらなくても”、ただ存在していること自体に価値がある「存在給」
- あなたの経験や得意を、“見えない価値”として自然にマネタイズできる「個人経済圏」
これらを、インターネット上で当たり前に巡らせる仕組みが、Web5では可能になります。
詳しくはこちらの記事でも紹介しています。
▶︎ Web5で実現する「存在給」──がんばらなくても価値になる世界
awabotaという実践の場
すでにその世界を実装しているのが、私が関わっているコミュニティ awabota です。
awabotaは「お金と自由な時間を増やしていく」コミュニティ。仲間と一緒に仕組みを作り、実践を通して学び、継続できる場──the 4th プレイス。
ここでは、誰もが自分自身の価値を表現し、それを循環させていく実験が日々行われています。
最後に問いかけたいこと
あなたの経験や感性は、必ず誰かにとって意味のあるものになります。
けれど、それを外に出さない限り、誰にも届きません。
「特別なことがない自分には、語るものなんてない」と思うかもしれません。
でも、人の心に響くのは華やかな成功談ではなく、むしろ日常の中で迷ったり、悩んだりしながら選んできた“小さな歩み”だったりします。
だからこそ、完璧である必要はありません。
あなたのリアルな言葉を、今のままの声で、SNSやブログなどで発信してみてください。
それが唯一無二の価値となり、誰かの背中をそっと押す灯りになります。
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▶︎ この記事もあわせて読むと理解が深まります。
Web5で実現する「存在給」──がんばらなくても価値になる世界
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